家電業界4位のケーズデンキは、競合他社の間逆の戦略をいく「がんばらない」経営で長期安定成長を続けています。「がんばらない」経営とはどのような戦略でしょうか。
【経営データ】
○ケーズデンキは郊外型の家電量販店
郊外型のローコスト経営を徹底することで高利益率を実現しています。都市型店舗はありません。
○高い利益率
効率的に利益を生み出しているかを示す「売上高経常利益率」はヨドバシカメラに次ぐ2位です。ヤマダ電機を上回っていて、効率の良さが際立っています。
○アフターサービス
地域密着型のアフターサービスで、2010年から現在まで、5年連続で1位に輝いています。
【独自路線を走る経営方針】
○「がんばらない」経営
業界1位にならないように頑張らない事を心がけている。
家電量販店業界の歴史を見ると1位になった会社はやがて衰退してしまうので、ゆっくりと成長することを目指しているそうです。
○仕事内容
接客係は、客がいない時でも接客以外しなくてもいい。
接客係が持ち場以外のことで動くと、肝心な接客が来た時におろそかになってしまうからだそうです。
○ノルマ
従業員の販売ノルマがない。
ノルマがないからこそ、会社が売りたい利幅が厚い商品を勧めるのではなく、顧客本位の商品をお勧めでき、結果、顧客満足度の向上に繋がっているのかもしれません。
○品揃え
家電製品以外は取り扱わない。
家電販売に集中し、いつも最大限の接客、売場づくりをするために、他のジャンルには手を出さないそうです。
○現金値引
ポイントカード制度の導入はせず、「その場でうれしい現金値引き」。
この考え方は「ポイントカードを作ることによりリピーターを増やす」のではなく、「確実な安さを提供することで顧客を増やす」という事から来ています。システム投資をしない分、安さを提供できるという側面もあります。
○従業員の待遇
「社員⇒取引先⇒お客様」の順番に大切にしていて、60パターンを超えるシフトを導入して従業員を楽にしている。
シフトのパターンは細かく分かれていて、425通りもあるそうです。実際に使っているのはその中の60通りだそうですが、シフトを細分化した結果、重複して勤務するムダな時間を削ることができ、従業員の負荷を抑えることに成功しているそうです。
○取引先の評判
取引先からの評判が高い。
お客様よりも取引先を大切にしているからこそ、お客様に良い商品を届けることが出来るという考えがあってのことだそうです。
【まとめ】
がんばらない経営とは、決してがんばらないというわけではなく、規模を追う競合他社のように大量採用、大量出店し、無理をした結果、サービスの低下を招くようなことをせず、地道に一歩ずつ、従業員、取引先一丸となってサービスを向上させ、最終的にお客さまに最大限のサービスを提供する経営ということですね。
ただ、懸念点もあります。今後2019年3月期までの5年間で240店以上を新規に出店し、出店拡大で2019年3月期に売上高1兆円をめざすと発表しています。欲が出たのでしょうか。急拡大の結果、無理が生じ、ケーズデンキの良さがなくなってしまわないことを願います。
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2015年08月15日
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