トヨタ自動車は2016年1月29日、51.2%出資するダイハツ工業を2016年8月1日付で完全子会社にすると正式発表しました。
両社の技術・ノウハウや事業基盤を融合し、新興国を中心に成長が見込まれる小型車分野を軸に一体的なクルマづくりを進めます。
年間販売台数が1,000万台を超えたトヨタグループの持続的な成長につなげます。
東京証券取引所に上場しているダイハツは2016年7月27日付で上場廃止となる見通し。
トヨタはダイハツブランドを今後も存続させ新興国戦略の要とします。
1月29日の記者会見で、トヨタの豊田章男社長は「トヨタは小型車でそれほど存在感を示せていないが、この分野のノウハウがないとさらなる成長が難しい」と強調。
ダイハツの三井正則社長は「競争が激化しており、戦略を共有して小型車の開発・生産に取り組む必要がある」と説明しました。
トヨタは1967年にダイハツと業務提携し、1998年に出資比率を過半に引き上げて子会社化しました。
これまでの小型車の共同開発や完成車の相互OEM(相手先ブランドによる生産)供給から、協力範囲を拡大します。
トヨタは今後、ダイハツをグループの小型車分野の中核企業と位置付けます。
ダイハツが低コスト化技術などを生かし、企画も含めて両ブランドの製品開発を手掛けます。
新興国事業でもダイハツが主体的役割を担います。
技術面でトヨタはハイブリッド車(HV)や自動運転などの先端分野を手掛け、ダイハツは低コスト化や燃費向上といったすみ分けを明確にします。
それぞれが得意な領域に集中し、成果を融合することで技術開発を効率化します。
ダイハツ独自のクルマづくりのノウハウをグループ全体で共有し、小型車以外のコスト競争力強化にも生かします。
トヨタは現在第1トヨタ(先進国 担当)、第2トヨタ(新興国 担当)といった地域別のビジネスユニットを見直し、新たにプラットフォーム(車台)ごとに区分けする組織再編を2016年4月から実施します。
2013年4月に新興国管轄の第2トヨタを組織して以降、新興国の販売が停滞しているのは、トヨタの新たな設計戦略TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)が小型車に応用しづらいからです。
2016年12月にTNGAの第1弾として新型「プリウス」を投入しましたが、TNGAは先進国向けのボリュームゾーン車種への対応が優先で、インドなどの新興国向け小型車に適用できるのは随分先となります。
新興国戦略を整理していくことがトヨタの喫緊の課題だった中、ダイハツは今年、インドプロジェクトの発表を予定していました。
機会を逸しないためにもダイハツの完全子会社化で協業を強化するとともに、インドに強固な販路を持つスズキとの提携も含めて戦略を打ち立てるのが、トヨタの新興国戦略の全ぼうです。
新興国の小型車展開用に、ダイハツの新たな設計戦略DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)ができるかもしれませんね。
○トヨタとスズキが提携交渉!インド市場共同開拓!トヨタの新世界戦略とは!はこちら⇒
「トヨタとスズキが提携交渉!インド市場共同開拓!トヨタの新世界戦略とは!」
○トヨタ全工場操業停止!王者に吹いた突然の逆風!はこちら⇒
「トヨタ全工場操業停止!王者に吹いた突然の逆風!」
○最新版!2015年 国内 自動車メーカー 売上高(業績) ランキング!はこちら⇒
「最新版!2015年 国内 自動車メーカー 売上高(業績) ランキング!」
○最新版!2015年 大手電機メーカー 売上高(業績) ランキング!はこちら⇒
「最新版!2015年 大手電機メーカー 売上高(業績) ランキング!」
○最新版!2015年 家電量販店業界 売上高ランキングはこちら⇒
「最新版!2015年 家電量販店 売上高ランキング!」
○最新版!家電量販店ランキング一覧はこちら⇒
「最新版!家電量販店ランキング一覧!」
クリックしてもらえると更新の励みになります。

小売・飲食業 ブログランキングへ

にほんブログ村
2016年01月31日
この記事へのコメント
コメントを書く