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2016年06月18日

プリウスが「非エコカー」に!米規制 カリフォルニア州で!トヨタ、世界戦略に影?

トヨタ自動車が誇る「環境車メーカー」の看板がアメリカ(米国)で揺らいでいます。

最大市場のカリフォルニア州でハイブリッド車(HV)への燃費規制が2018年に向けて強化され、旗艦車「プリウス」がエコカーではなくなるからです。

優遇するのは排ガスを出さない電気自動車(EV)。

世界が倣う米規制でのつまずきはグローバル戦略にも影を落としかねません。

今、燃費規制を逆手に急成長しているEVベンチャー「テスラ・モーターズ」に注目が集まっています。

イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が4年後の100万台生産計画を表明した5月の決算会見で、自動車業界の関係者が台数以上に注目したのは5700万ドル(約62億円)にも上る「ZEVクレジット」収入です。

「Zero Emission Vehicle(排ガスゼロ車)」を意味するZEVは、加州が自動車メーカーに一定割合の販売を義務付けています。

環境に優しい電気駆動の車の普及が狙いで、達成できないメーカーは罰金を払うか、他社からクレジットを買う必要があります。

テスラはたまったクレジットを売ることで赤字体質の収益を補完してきました。

米国最大の車市場である加州ではどのメーカーもZEV規制を意識しています。

苦戦を強いられているのが日本では環境イメージの強いトヨタです。

1990年施行の規制は段階を経て厳しくなり、2012年には2018年以降のHVをZEVとして扱わないことが決定していました。

HV代表のプリウスも例外ではありません。

ZEV規制意外にも様々な規制によりトヨタのHVビジネスに影響が出ています。

まず、カリフォルニア州の高速道路のエコカー専用渋滞回避レーンでの走行が2011年7月からHVはできなくなりました。

渋滞が多いサンフランシスコなどの消費者にとっては致命的で、プリウス人気は低迷。

原油安も加わり、新型を含めたプリウスの1〜5月の販売台数は前年同期と比べて24.9%ものマイナスです。

HVの販売不振にあわせて獲得クレジットも減少。

トヨタは2018年以降を見据えクレジットの貯蓄を始めたとされますが、2015年には初めてクレジットの買い手に転落しました。

トヨタは規制を緩和するよう当局への陳情を繰り返したが一切聞き入れられなかったといいます。

日本のメーカーということもあるかもしれません。

カリフォルニア州がそこまで排ガスゼロにこだわる背景には、公害に悩まされてきた地域の歴史があります。

1940年代のロサンゼルスでの光化学スモッグ対策が自動車規制の発祥です。

今のZEV規制は、大気汚染とそれに伴う健康被害への対策に、温暖化問題が加味されました。

カリフォルニア州大気資源局(CARB)のアルベルト・アヤラ副局長は「HVは燃費面で優れた技術だが、有毒な排ガスを出している時点でダメだ」と言い切っています。

見逃せないのはカリフォルニア州の規制がグローバルでのひな型になりつつあることです。

連邦法に基づき、他州はCARBの規制をそのまま導入してもよいこととなっています。

ニューヨークやコネティカットなど東西9州が連合を組み、これだけで米新車市場の3割をカバー。

さらにドイツやノルウェーなど加州を参考にEV優遇の規制を導入する国も出てきました。

トヨタも無策でいるわけではありません。

米国で2015年に販売が始まった燃料電池車(FCV)「ミライ」はEV同様に排ガスゼロでカリフォルニア州の要望を満たします。

しかし、現時点でカリフォルニア州内の水素充填インフラは18基だけで普及には時間がかかりそうです。

ニューヨークなど他州でのインフラ整備の本格化は2017年以降です。

その間隙を縫うようにEVではテスラが台頭、ゼネラル・モーターズ(GM)も年内に1回の充電で200マイル(約320キロメートル)走行する大衆向けEVを販売します。

HVのプリウスが世界に先駆けた2000年とは異なり、今のエコカーを巡る競争環境はかつてなく厳しいです。

トヨタがEVに力を入れていない点も懸念点です。

燃料電池車(FCV)は排ガスゼロで、燃料の水素を充填するのに数分程度。

電気自動車(EV)のように、搭載電池を充電するのに何時間もかかりません。

FCVは走行距離も650kmから700kmとガソリン車並み。

EVのように、走行距離が200kmと短くはありません。

たしかに、トヨタが言っているようにFCVは究極のエコカーかもしれません。

しかし性能(技術)が良ければ、売れる可能性は高いのですが、必ずしも売れるとは限りません。

かつて、パナソニックのプラズマテレビは液晶より画質が高かったのですが液晶テレビに負けてしましました。

敗因は、プラズマテレビ陣営のメーカー数が少なかったことと、当初こそプラズマテレビの優位性は圧倒的でしたが、技術革新で液晶テレビの画質の劇的に改善したからです。

参加メーカー数が少なければ、どうしても、量販店の売り場占有面積が狭くなったり、ニュース・報道等で取り扱われる機会も少なくなってしまいます。

結局、消費者に認知され、デファクトスタンダード(事実上の標準)になった製品が勝ちます。

現時点では、プラズマテレビ=燃料電池車(FCV)、液晶TV=電気自動車(EV)の構図に見えてしまいます。

ただ、歴史を振り返れば自動車の技術の進化は規制の強化と裏腹でもありました。

1970年代、米国が制定した厳格な排ガス規制「マスキー法」はホンダなどの低燃費車の開発を後押しし、結果として同社の米国進出を助けました。

今後、CARBのアヤラ副局長は「2050年にZEV比率を100%にする」と宣言しています。

トヨタが今を危機と見なすか好機と見なすか。

「環境車メーカー」の腕の見せどころですね。

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posted by カデンちゃん at 23:03| Comment(0) | 経営戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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