トヨタ自動車とスズキが提携交渉に入ったと報道がありました。
トヨタは傘下にダイハツがあるのに、競合のスズキとも提携するのかと驚きました。
家電量販店業界でいうと、ベスト電器を子会社化したヤマダ電機が競合の上新電機とも提携するようなものです。
安全・環境技術、低コストの生産ノウハウなど両社の強みを活かし、インドなど新興国での小型車需要の開拓を共同で進める見通しです。
両社は今後、株式の持ち合いも行う予定です。世界的な競争が激しさを増すなか、国内大手2社の連携で新興国開拓を加速します。
世界販売台数が279万台に上るスズキは日本国内の軽自動車でダイハツ工業とともに市場をけん引し、低コストの車造りに強みを持ちます。
スズキの収益源はインドでの乗用車事業で、同国でシェア4割とトップを誇ります。約30年かけて築いた販売網は、トヨタがインドで事業を拡大するための大きな力になるとみられます。
一方、トヨタは1997年にインドで生産子会社を設立しましたが、販売が伸びず足元のシェアは約5%と低迷しています。スズキとの協業を通じ得意とするタイやインドネシア以外のアジア圏での足場を一気に固めたい考えです。
トヨタはグループ販売が約1,000万台と世界トップ。ハイブリッド車(HV)「プリウス」や燃料電池車(FCV)「ミライ」などに代表されるエコカーや自動運転などの安全技術で先行しています。
今後、世界的に環境や安全面での規制が強まる見通しです。自動運転などのIT(情報技術)化が不可欠となるなか、環境・安全技術など次世代車の開発が単独では厳しいとみられていたスズキはトヨタの次世代技術を活用するもようです。
一方、トヨタはダイハツを完全子会社化し、これまで以上に低燃費、低コストの小型車開発を進める方針を固めています。
スズキは米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携解消に伴い、独フォルクスワーゲン(VW)と2009年12月に資本提携を結びました。ただ、経営権や技術開示のあり方で溝ができ、国際仲裁を経て15年9月に資本提携を解消しています。
カリスマ経営者の鈴木修会長(85歳)の後継として長男の鈴木俊宏氏(56歳)が2015年6月に社長に昇格。「ポスト鈴木修氏」経営に向けたトヨタとの交渉を極秘に進めていました。
実は過去、スズキが経営危機に見舞われた際、2度もトヨタに支援を請い、救済された歴史を持ちます。それでも、スズキを子会社化しなかったのは、スズキ(鈴木修氏)の独自路線を評価し、横やりを入れなくなかったのかもしれません。
世界の自動車業界ではトヨタグループ、VW、GMが3強に位置します。GMとホンダがFCV開発などで提携するなど、単純な競争だけでなく協調も大きなテーマとなっています。
グローバル販売でトップのトヨタと、日系勢で日産自動車、ホンダに次ぐ4番手にあるスズキが提携交渉に入ったことで、自動車業界の勢力図に大きな影響を与えることになりそうです。
どの業界も、日本国内は少子高齢化、人口減の影響で市場の成長が見込めなくなっています。今後は、海外での事業展開を成功させないと、生き残れないですね。
現在、勝ち組のトヨタも今後、どうなるかはわかりません。トヨタもそれがわかっているから、今回のような競合との提携でしょう。
家電量販店業界のヤマダ電機がもがいているのも同じことが言えるかと思います。
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